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NASで防犯カメラシステムを構築する

投稿日:2022年2月11日 更新日:

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はじめに

今回はNASを使った防犯カメラネットワークシステムの構築方法を紹介します。
使用するモデルはQNAP製ですが、SynologyのNASでも同様の環境を構築できます。
おすすめはQNAPですが理由については後述します。
カメラの設置はそれなりに大変ですが、システムの構築は結構簡単でした。
以下参考になれば幸いです。

必要なもの

  • NAS
  • HDD
  • IPカメラ(ネットワークカメラ)
  • LANケーブル
  • PoE対応スイッチングハブ

上記が必要な製品です。
おすすめのNASは次の見出しで紹介します。
IPカメラは多くのモデルがありますが、基本的には「ONVIF」に対応していれば大丈夫です。
心配な方はNAS販売メーカーが公開しているカメラのサポート一覧を参照してください。
また、PoEに対応したカメラを選ぶと施工が楽になります。
なぜかというとLANケーブル1本で通信と電力供給ができるからです。カメラを取り付けたい場所ににコンセントがなくても設置できるため自由に録画したいエリアを決めることができます。
LANやPoEの配線は資格がなくても施工できます。
WEBカメラの録画やRTSPにも対応しており、Wi-Fi対応のカメラであれば電波が届くエリアであればコンセントからの給電のみで録画できます。
ただし、電波干渉などによりタイミングによっては録画できない可能性があるため、個人的には有線で接続できるカメラをおすすめします。

LANケーブルは屋外に設置する場合、数十メートルから数百メートル必要になります。
カメラの設置場所によって変わりますが、施工については別記事を書こうと思います。

続いて複数のカメラを接続するために必要なスイッチングハブですが、PoEに対応したものを用意する必要があります。このPoE給電に対応するハブがないとカメラに電力を供給できません。
※カメラの電力をコンセントから取る場合は一般的なスイッチングハブでOKです。

QNAPがおすすめな理由

どうしてQNAPのNASをおすすめするのかというと、「追加ライセンス無しで利用できるカメラが8台まであるから」です。
SynologyのNASだと、「2台まで」なので3台以上のカメラを録画したい場合はライセンスを追加で購入する必要があります。
カメラ1台あたりの追加ライセンス料金はどちらのメーカーもあまり変わりませんが、最初から8台利用できる方がコスパ高いと思います(NASを新規購入する場合)。
すでにNASを所有しており、利用したいカメラ台数が足りない場合はライセンスだけ購入すれば良いです。

追加ライセンスは1台あたり7~8,000円ほどします
モデルやメーカー、スペックによって価格や利用できるアプリも異なるため、詳細な比較は割愛します。
お財布と相談して好きなモデルを選んでください。

QNAPの録画アプリ「QVR Pro」について少し補足します。
IntelのCPUを搭載する場合は最大で128台までのカメラに対応し、ARM系のCPUを搭載する場合は最大で16台まで対応しています。
どちらも追加ライセンス無しで8台のカメラチャンネルを録画可能です。
メモリは最小4GBとなっていますが、快適な利用には8GBが推奨されています。
QNAPの場合、下のモデルだと1GBや2GBしか搭載されていない製品もありますが、増設・交換することで必要なシステム要件を満たすことができます。

蛇足ですが、Synologyの場合は「Surveillance Station」を使って監視システムを構築します。

購入した製品

  • QNAP TS-253D
  • Hiseeu HB612
  • Hiseeu HC615
  • Hiseeu HD812
  • NETGEAR GS305P

NAS

今回選んだのは「TS-253D」というモデルです。
家庭用としてはかなり上位モデルで価格は約50,000円しました。
正直、こんなに高いモデルじゃなくても良いです。
なぜこれにしたのかというと、

2.5GbE対応のLANポートが2つ搭載されているからです。
LANポートが1のモデルでも録画システムは構築できますが、防犯カメラは24時間録画するので常にネットワーク帯域を占領してしまいます。
そこまで膨大なデータ量ではありませんが、家のネットワークはまだ1GbEなので大容量のデータを転送する際に速度の低下を招いたり混雑の要因になってしまいます。
このような問題を避けるため、「カメラを接続するネットワーク」と「インターネットに接続されているネットワーク」を分けることにしました。
これにより、普段使っている(ルータやPC、スマホが接続されている)ネットワークにカメラが送信するパケットは流れないので混雑することはありません。
カメラは直接インターネットとつながっていないためセキュリティも高いのではないかと思います(あまり詳しくないので間違っているかもしれません)。

また、このモデルはPCIe拡張に対応しているので将来的に5GbEや10GbEのカードを取り付けたり、M.2 SSDでキャッシュ領域を追加することもできます。

IPカメラ

続いてカメラです。今回はHiseeuというメーカーのカメラを3台購入しました。
ここで紹介すると長くなるので簡易的にレビューした記事を読んでいただけると幸いです。

価格は意外と安くて固定式のカメラは約3,500円、PTZ対応のカメラが約5,000円でした。
上記レビュー記事に購入サイトなどの詳細を記載しています。
いずれもPoE対応です。
PTZとはパン・チルト・ズームのことで、対応したモデルであればカメラを遠隔で操作できます。
製品によっては光学式ズームに対応するカメラもあるみたいです。
今回購入した「HD812」というPTZカメラはパン・チルト、電子ズームに対応しています。
ネットワークカメラは国内メーカーも販売していますが1台あたり数万円といい値段です。
ただ、信頼性や画質の違いもあるので一概に比較できませんが、メーカーを気にしないのであればかなり安価に購入できます。

スイッチングハブ

今回購入したのはNETGEARの「GS305P」という製品です。
PoE+に対応しており、最大63W(1ポートあたり30W)まで供給することができます。
IPカメラ用のハブだと100BASEの製品も多いですが、こちらは1000BASE-Tポートなのでギガビット対応です。
5ポートありますがPoEに対応するのは4ポートで、金属筐体が採用されています。

NASの準備

それではNASを使えるように準備していきます。
すでに使っている方はカメラを接続し、アプリのインストールまで飛ばしてください。

HDDを取り付け

まずはHDDを取り付けます。
今回はWesternDigitalのBlue 3TBを1台取り付けました。
後ほどRedシリーズに交換しています。

NASにアクセス

NASをネットワークに接続したら、パソコンから設定を続けます。

「Qfinder Pro」をダウンロードして同じネットワークに接続されているNASにアクセスしてください。
自動的にスキャンされ一覧に表示されます。もし見つからない場合は同じネットワークに接続されているか確認してください。

ファームウェア更新

最新バージョンが見つかった場合はアップデートしておきましょう。

管理者アカウントを設定

初期設定に必要な管理者アカウントを登録します。

ネットワークの設定

これは任意ですが、IPアドレスを固定しておくと管理しやすいです。
固定する際は他のデバイスと重複しないように予め確認しておきましょう。

ストレージプールを作成

ログインするとデータを保存するためにストレージ領域を設定する必要があります。
これは搭載しているHDDの台数や容量、利用したいRAIDの種類によって変わるため、環境にあったストレージプールを作成してください。

完了

このようなホーム画面が表示されれば準備完了です!

カメラの接続

それではスイッチングハブに各カメラとNASを接続します。
この際に、利用したい環境に合わせて予めカメラのIPアドレスを固定しておくと良いです。
LANポートが1つしかない場合は同一ネットワーク上にカメラを接続してください。
スイッチングハブの電源を入れたらアプリのインストールへ進みましょう

録画アプリ「QVR Pro」の設定

QVR Pro」インストール

続いてNASにカメラアプリをインストールします。

AppCenterで「QVR Pro」と検索すると出てきます。

IPアドレスの設定

先ほど接続したカメラ側LANポートのIPアドレスを固定します。
モザイクをかけているので分かりにくいですが、例を記載します。
Adapter1:192.168.1.5
Adapter2:192.168.2.1
アダプター1はルータやスマホ・PCがある通常のネットワークに接続されており、アダプター2はカメラのみのネットワークに接続されているとします。
この場合、NASへアクセスする際は通常のネットワークから接続するため192.168.1.5へアクセスすることになります。
カメラのIPアドレスはそれぞれ192.168.2.2~192.168.2.5のように重複しないアドレスを割り当てておきます。
こうすることで、NASは2つのネットワークに接続されているので各カメラの映像を受信でき、スマホやPCとデータを送受信できます。
インターネットに接続されている通常のネットワークにはカメラは存在しないため、スマホやPCから直接アクセスすることはできません。
映像を確認する際はNASメーカーが提供しているアプリを使います。
カメラはインターネットに接続されていないためおそらく外部から直接アクセスすることはできないはずです。
(ルーティングの設定などをすればアクセスできるのかもしれませんが、この辺は詳しくないためよく分かってないです…指摘などありましたらお知らせください)。

「QVR Pro」初回起動

起動すると新規タブが開きます。
ここから各種設定を行います。

保存領域の設定

最大何GBのデータを録画するか設定します。
容量は録画する映像の解像度やフレームレート、カメラの台数によって変わってきます。
また、搭載しているHDDの容量や使用状況によっても変わるので、空き容量と相談しながら適切な容量を割り当ててください。
今回は100GB割り当てました。

カメラの追加

録画するカメラを追加します。
自動的にスキャンが始まり接続されているカメラが一覧に表示されます。
もし表示されない場合は、カメラを再起動するか設定したIPアドレスが正しいか確認してください。
少し面倒ですが手動で追加もできます。

録画設定

続いて録画の設定です。
この項目では「通常録画」「イベント録画」、また「スケジュール」を設定できます。
「通常録画」は常時録画するモードで、
「イベント録画」はカメラが動きを検知したときだけ録画します。基本的にはカメラ側がモーション検知機能に対応している場合のみ設定可能ですが、もし非対応であっても2台までのカメラであればNAS側でモーションを検知できます。
スケジュールを設定することで毎日24時間録画するか、指定した時間だけ録画するか選ぶことができます。

例えばですが、ストリーム1を高画質でイベント録画にし、ストリーム2を低画質で24時間録画にすると、24時間録画しながらモーションを検知したときだけ高画質で残すといったことも可能です。
こうすれば容量を削減しつつ、動きを検知できなかった場合にも対応できます(画質は低いですがいざというときに…)。

「QVR Pro Client」

録画した映像やライブ映像を確認するには「QVR Pro Client」というソフトをインストールする必要があります。
Windows,Mac,Android,iOSをサポートしており様々なプラットフォームから利用可能です。
AppleTVでも「QVR Viewer」というアプリを使えばモニタおよび再生ができるようです。
ユーザーを追加すれば、各ユーザーごとにどのカメラをモニタできるかといった設定も可能です。

パソコンから確認

Windowsパソコンからソフトを起動してみました。
ビュー画面には4台のカメラ映像が表示されていますが、ドラッグアンドドロップで簡単に画面構成を変えることができます。
画面右下にあるコントローラーを使ってPTZ対応カメラを操作します。
そこまで大きな遅延はありませんでした。

スマホから確認

スマホアプリからも試してみました。
PTZ操作も同様に行えます。
「QNAP ID」を作成すれば外出先から確認できるので何かあったときに安心です。

再生期間

録画した映像ですが、アプリからは2週間のデータしか確認できません。

もし2週間より前の映像を再生したい場合は、USD $99.00「Unlimited Playback」ライセンスを購入する必要があります。
これを購入することで期間関係なく最初の方で設定した録画容量分の映像を確認できます。
USD $399.00 しますが、カメラ8台追加&無期限再生がパックになった「Gold」ライセンスもあるのでこちらを検討してもよいかもしれません。
一応QNAPのファイルアプリから録画先を辿れば再生できます。

まとめ

今回はNASを使った防犯カメラシステムの構築について紹介しました。
構築にかかった費用は合計70,000円ほどです。このうち5万円はNASが占めています。
すでにNASを使っている方であればネットワークカメラやハブを購入するだけで同じ環境を構築できます。
スマホやタブレットから簡単にモニタできるので設定さえしてしまえば詳しくない人でも利用できると思います。
録画専用のネットワークビデオレコーダー(NVR)を使ったり、Windowsの録画アプリを使えばもっと安価に構築できますが、知識がないと難しかったり、スマホから確認できなかったりと使いやすさは劣ります。
NASを使うことで防犯カメラのモニタ以外に、データ管理や写真管理も行えるのでとても便利になります。
気になった方はチャレンジしてみてください!
以下動画でも紹介しています↓

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